真実に光をあてるために どれだけのものを失う覚悟があるのか

マーク・ラファロ アン・ハサウェイ ティム・ロビンス ビル・キャンプ ヴィクター・ガーバー  and ビル・プルマン 映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』公式サイト 監督:トッド・ヘインズ

12月17日(金) TOHOシネマズ シャンテ他ロードショー
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すべては1本の新聞記事から始まった
全米を震撼させた実話に基づく衝撃の物語

2016年1月6日のニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたその記事には、米ウェストバージニア州のコミュニティを蝕む環境汚染問題をめぐり、ひとりの弁護士が十数年にもわたって巨大企業との闘いを繰り広げてきた軌跡が綴られていた。そしてこの驚くべき記事は、マーベル・シネマティック・ユニバースのブルース・バナー/ハルク役で絶大な人気を博した実力派俳優マーク・ラファロの心を動かした。環境活動家でもあるラファロは、プロデューサーも兼任して映画化に向けて動き出した。ロブをスーパーヒーローでも聖人でもない生身の人間として体現し、観る者の深い共感を呼び起こす。世界有数の化学企業を敵に回したことで生じる強烈なプレッシャー、公私両面の凄まじいストレスなどの“正義の代償”を伝える一方、弱き者を救おうとする弁護士の揺るぎない信念を感動的に演じきった。人命さえ脅かす化学物質の存在が身近な恐怖として描かれ、闇の中の真実をひたむきに追求するロブの姿から目が離せない。

トッド・ヘインズ監督×マーク・ラファロ×アン・ハサウェイ
世界的な鬼才と実力派キャストの豪華タッグが実現!

ラファロを盛り立てる脇役のキャストにもビッグネームが集結した。『レ・ミゼラブル』でアカデミー賞助演女優賞に輝いたアン・ハサウェイがロブの最大の理解者である妻サラに扮し、『ミスティック・リバー』で同じくアカデミー賞助演男優賞を受賞したティム・ロビンスがロブの威厳ある上司タープを演じる。そしてラファロからの直々のオファーを快諾し、本作のメガホンを執ったのはトッド・ヘインズ。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『ベルベット・ゴールドマイン』『キャロル』、アカデミー賞脚本賞にノミネートされた『エデンより彼方に』などで知られる鬼才が、実話に基づく社会派リーガル・ドラマという新境地に挑み、卓越した語り口で観る者を魅了する。

無謀とも思える
巨大企業との闘いに身を投じた
独りの弁護士に光をあてる

STORY

1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロットが、見知らぬ中年男から思いがけない調査依頼を受ける。ウェストバージニア州パーカーズバーグで農場を営むその男、ウィルバー・テナントは、大手化学メーカー、デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚され、190頭もの牛を病死させられたというのだ。さしたる確信もなく、廃棄物に関する資料開示を裁判所に求めたロブは、“PFOA”という謎めいたワードを調べたことをきっかけに、事態の深刻さに気づき始める。デュポンは発ガン性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流してきたのだ。やがてロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏みきる。しかし強大な権力と資金力を誇る巨大企業との法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていくのだった……。

CAST / STAFF

COMMENT

※順不同、敬称略

海外でも日本でも、環境汚染は100年前から企業や経営者の強欲によって引き起こされてきた。そこでは常に命より金が優先される。本作はそんな愚かさが、時代や国境の区別なく、今なお脈々と受け継がれている悲劇を示している。 石井 光太(ノンフィクション作家)
地球の自然環境は先祖から借り受けたものであり、借りた形のまま次世代の子供達に受け継ぐ責務を我々社会は全うしなければならない。まだ歩きもしない幼子を育てる身として恐怖を覚えながらも、目先の”便利さ” ”利益”により”形”を変えてはいけないと改めて痛感した。 竹田 有里(環境ジャーナリスト)
主役の弁護士は「世のため、弱者のため」に活躍する弁護士であり、弁護士のあるべき姿を見ました。水俣病に代表される日本の公害の教訓が生かされなかったことに、失望するとともに、残念な気持ちでいっぱいです。なお、テフロンについては定められた使い方をする限り心配は不要です。 北野 大(秋草学園短期大学 学長/工学博士(環境化学))
この事件の依頼を果たして私は受けるだろうか。正義のために闘う、言うは簡単だが地位、家族、安全はどうなる?しかし、依頼を請けて闘った男の実話がこの作品だ、しかもここに描かれる危機は他人事ではない。 菊地 幸夫(弁護士)
現実から目を背けてはいけない。フィクションではなく、これが現在進行形の訴訟であるという衝撃。次の世代のため、地球と本気で向き合わなければならない今の時代にこそ、見るべき映画。 菊間 千乃(弁護士)
壁がいかに高くても、大切なものを失いかけても、たとえひとりでも挑む——。プロフェッショナリズムを貫く主人公に引きつけられる。同時に、彼が光を当てた有機フッ素化合物汚染は日本でも起きていることを思わずにはいられない。 諸永 裕司(近刊『消された水汚染』著者)
沖縄では、劇中で出てきたのと同じ有毒物質が米軍基地から垂れ流されている。「毒を流す」という愚行さえも正当化させる「権力」と「金」。これらと対峙する過酷さと尊さの両面を突きつけられる作品。 せやろがいおじさん(お笑い芸人/YouTuber)
金のためでも、勲章のためでもなく、なぜ彼は強大な権力と闘うのか。弁護士としての使命を改めて考えさせられた傑作。 亀石 倫子(弁護士)
「環境レイシズム」とそれに対置される「環境正義」が叫ばれるこの時代に生まれた実話ベースの告発・法廷映画。主人公は弁護士だが、ここで描かれる対立や苦悩、葛藤は誰しもが抱え得る問題だ。 水野 祐(法律家/弁護士)
マーク・ラファロの熱意とトッド・ヘインズの冷徹な視点が奇跡的に融合。この事実に戦慄しながらも、最後には勇気をもらえる傑作だ。 市山 尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)
絶対に見るべき重要な映画だ――君の健康がかかっている! Rolling Stone
市民に行動を促し、権力と戦い、一面の見出しを飾る企業の陰謀という不正を告発するドラマ。トッド・ヘインズ監督は行動を喚起する初めての企業サスペンスを作った。観客は安全なものは何もないという感情を抱くことだろう。 Variety
気高く、見事で、あり得ないほど感動的。 The Wall Street Journal
この種の作品としては最高峰と思わせる徹底して緻密に描かれた法律ドラマ。アン・ハサウェイ、ティム・ロビンス、ビル・プルマンといった著名な共演者も配して説得力があり、さらには人々が気にするべき、そして懸念すべき物語を伝える重厚な脚本からなる映画だ Screen Daily

映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』公式サイト

12月17日(金) TOHOシネマズ シャンテ他ロードショー

2019年/アメリカ/英語/126分/ドルビーデジタル/カラー/スコープ/原題:DARK WATERS/字幕翻訳:橋本裕充
© 2021 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. 配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ 映倫G